投資の勉強するなら【アクティブファンド】選びをやってみる
アクティブファンドとは、ファンドマネージャーが投資商品(株式の場合は銘柄)を選別・運用する投資信託です。
インデックスファンドが、対象のインデックスと同様に値動きするように運用するのに対して、投資先の選別をアクティブに行います。
プロが運用してくれるわけですから、良いはず!
しかし、過去の成績を見ると、そういうわけでもありません。
投資の難しいところで、プロがやっても負けるときは負けます。それでも、アクティブファンドを持つ意味というのは十分にあります。
アクティブファンドあってこそのインデックス
世界で初めての投資信託は、19世紀にイギリスで誕生しました。
日本が明治維新で新しい時代に向けての変革が進んでいた頃です。
このときの投資信託は当然アクティブファンドです。
一方で、インデックスファンドができたのは1971年。
個人向けには1976年バンガード・グループが設定したのが最初です。
今では大人気のインデックスファンドですが、アクティブファンドの仕組みがあったからこそ、派生してできたと言えるでしょう。
アクティブファンドは誰が運用しているの?
アクティブファンドは運用会社に所属するファンドマネージャーと呼ばれる人たちが運用しています。
この運用会社、日本では、大手金融機関の資本の入っている会社と、独自資本の会社、いわゆる独立系と呼ばれる運用会社があります。
それぞれに特徴があり、大手の資本が入っている運用会社は、社名に聞いたことのある名前が入っていて馴染みがある感じがします。
銀行などの関連会社でも売出し中のファンド名を見ると、系列の運用会社のことが多いので、関係が強いことが伺えます。
ファンドマネージャーも大手企業の会社員で、名前が独り歩きする人はそう多くはなく、見えづらくなります。
一方で、独立系の運用会社の方は、ネット証券や投資家ブログなどで名前を目にすることが多いです。
独立系の方は、運用している担当者に異動はありません。
長期的視野に立って、お客様の資産を運用し、さらに前面に出てきて説明をしています。
その投資手法、方針、銘柄の選定だけではなく除外する理由も説明してもらう機会があります。
金融のプロに説明をしてもらっていると思っても、私たちが接するのは通常、販売のプロです。
独立系ですと、運用のプロに会ってどんな小さな疑問点にも丁寧に答えてもらうことができるのも魅力です。
アクティブファンドの【正しい選び方】はファンドの5Pをチェック
アクティブファンドの選び方には、ファンドの5Pと呼ばれるチェック項目があります。
Philosophy(フィロソフィー)
哲学のことです。
そのファンドの運用理念や投資哲学に共感できるか。
投資に共感なんて必要あるのか?長期でずっと自分のお金を託すのです。
だからこそ、その運用哲学に共感することは大切です。
Process(プロセス)
… 投資の過程ですね。
投資対象の選定がどういうプロセスでなされたのか。
時には、売却をすることだってあるでしょう。
なぜ除外対象となったのか?経営者とどういう話し合いが行われたのか?まで情報提供していただけます。
月報、運用報告会などで開示されています。
Portfolio(ポートフォリオ)
実際に投資信託に組み入れられている投資対象が、その哲学やプロセスと異なっていたら全く意味がありません。
ポートフォリオ、何に投資されているかで確認します。
ファンドによっては、極力運用に回すファンドもありますし、現金を多めに持って投資先を慎重に選び、投資すべき対象が現れたときに備えているファンドもあります。
この現金比率もアクティブファンドならではの個性です。
People(ピープル)
運用体制や運用担当者はどんな人達か?
経歴はもちろん、どんな顔、得意なこと、時には趣味などまで明かされて、人柄が見えるようになっています。
投資信託ですから、「この人に信じて託そう!」と思える人がいることが大切です。
運用会議をしているときに、「銘柄を組み入れてもらうための会議で自分の探してきた銘柄について話をしていると、夢を実現するためにこのお金を使っている顔が見える」と話してくれた運用担当者がいます。
本来、自分のお金に対して、そんな想像力を持った担当者に出会えるのもアクティブファンドの魅力の一つでしょう。
Performance(パフォーマンス)
どんなに良いと思えるファンドでも、運用の成績がずっと悪ければ単なるきれいごとです。
取るべきリスクを取り、リターンを得ているか。
そういう意味では、良すぎても、リスクを取りすぎている可能性があるので、注意しなければなりません。
ただ数字だけ見ていればよいわけでもないのです。
この5つのPはどれかだけ良くても、どれを見ればよいのか?というものでもありません。5つの項目いずれもよい、自分が納得できることが重要です。
投資の勉強をすると言うと、数字、チャート、理論のことに目が行きがちですが、「理解すること」を目的にすればアクティブファンドを使うことは、投資の理解への近道につながるものだと思います。
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