定期預金の【金利キャンペーン】正しい金利計算の仕方

 住宅ローンを契約したり、まとまった資金を預けると銀行が定期預金の金利をキャンペーンで上乗せしてくれることがあります。

円定期預金金利キャンペーン!今なら3ヶ月もの年3%(税引き前)の金利が付きます!

この場合、100万円預けたらいくらの金利が付くでしょうか?

(A)100万円の3%だから3万円

(B)え、もっと少ないでしょ。

(C)え、もっともらいたい!

このキャンペーンで目を引く金利は1年間で付く利息ですので、実際はその12分の3(4分の1)である3ヶ月分の金利を受取ることになります。金利が魅力的だからと契約しても、期待していたような金利はつきません。

金利はぱっと見ただけで判断しない

金利の計算式は、このようになります。

<金額×金利(年利%)×(期間(ヶ月))÷12(1年=12ヶ月)>

 普通は3%も付くならいい!とぱっと思ってしまいます。このときの計算は金額×金利(年利%)だけ。でも、計算式には続きがあります。

 通常、金利は1年間で預けた場合に付く利息で表記されています。3ヵ月3%で100万円預けた場合、100万円の3%である3万円が利息で付くわけではありません。実際は1,000,000円×3%×3ヶ月÷12=7500円。さらに税金が20.315%(1,523円)掛かりますので、実際に受取る利息の金額は5,977円となります。

 これを100万円で戻すと、実質は約0.59%しかプラスになりません。通常の定期預金よりはマシですが、3%からはほど遠い、それほど魅力的な預金金利でもないことが分かります。実質いくらつくか?ということを計算してみるとそれほど効果が大きくないことも多いのです。

ということで、正解は(B)となります。

キャンペーン金利は期間限定

 キャンペーン金利は期間限定です。1年預けた場合の金利で表示されていますが、実際に1年間預けることができるかどうかは別の話です。キャンペーン金利は数ヶ月適用となる場合が多いので、そうなると最初から表示されている金利は得られないことは決まっています

キャンペーン金利期間が終わったあとにどうするか?

 キャンペーン期間と同じくらいの間、ちょうど数カ月後に使う予定があるというときは通常より少し多めの利息がもらえてラッキーです。実際に、私もたまたま使うタイミングが数カ月後にはっきりと分かっている場合などに、キャンペーンを使うことはあります。金利がちょっと上乗せされるし、円定期預金であれば使うタイミングで元本割れしているという心配も防ぐことができます。通常はそんなに都合の良いことはないでしょう。

 キャンペーンというのは期間限定です。キャンペーンが終わったあとにどうするかが問題です。なにかに使うのか、それとも債券や投資信託、保険商品、その他のFXや暗号資産などの投機的な商品など、金融商品を使って運用してみるのか。

 ここで原点に帰ることが必要です。そもそも何のために資産を運用していたのでしょうか?

興味があってやってみたかったから、流行っているし資産運用してみよう!

 人生は経験しないと得られないこともありますので、興味のあるものに手を出してみるのも悪くはありません。しかし、それに対するリスク、特にお金を失う、損する可能性に対する覚悟はできていますか?キャンペーンの内容に惑わされることなく、目的を持ってお金の運用をしていきましょう。

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